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マイホームの「押し買い」に注意!

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2025/07/15

 悪徳不動産屋による、マイホームの「押し買い」被害が広がっています。「押し売り」ではありません。その逆です。
 不動産屋が突然自宅にやってきて「終活のために家を売りませんか」と、強引に売却を迫ってくるのです。都市部の高齢者が住んでいるマンションが特に狙われていて、被害者救済の法律も整っていないのが問題となっています。
 今回の手口で、主に悪用されているのがリースバックです(自宅を売却しても、その後に賃貸契約を結んで、もとの住まいに住み続けられる仕組み)。悪徳不動産屋は著しく安い価格で自宅を買取り、短期間の定期借地契約(たとえば10ヶ月)を結びます。普通借地契約であれば更新が可能なので、借主が解約を望まなければ契約が更新されて、長く住み続けられるのですが、定期借地契約の場合は更新ができません。つまり、リースバック後も長く住み続けたいと思っていたのに、無理やり追い出されることになります。
 一旦売却の契約をしてしまっても、一定期間内ならクーリングオフが使えるのではと思う方も多いようですが、クーリングオフは買主側を守る法律なので、売主側には適用されないのです。
 民法(557条1項)には、売主側が契約を取り消す場合、手付金の倍額を支払えば解約できるという条項があります。自宅を売却する契約をしてしまい、不動産屋から手付金として百万円を受け取っていたとしたら、その倍額の二百万円を不動産屋に支払えば解約できるということです。
 悪徳不動産屋は、クーリングオフの抜け穴と民法を悪用して、押し買いを行っているのです。
 突然訪問してきた不動産屋を安易に家の中に入れてしまうと、契約するまで何時間でも居座り続けますので、十分な注意が必要です。